祝10周年祭 2024年10月13日(日)スナック不慣れ復活祭 おひとり様3,000円の要予約制/10月14日(月祝日)は午後からお客さま感謝デイとして毎年恒例のもちつき祭りを開催します。どうぞお気軽にいらしてください。

東京Ⅰ 東京湾要塞

猿島。横須賀から船で10分ほどの、東京湾に浮かぶ自然島。東京湾要塞。けっこう興味をそそられる名前です。「要塞」。いまの日本では聞きなれない言葉で、そんなものがどこに?という感じです。東京がまだ江戸だったころ、鎖国をしていた幕府の元で、外国船の侵入を防ぐために全国初の台場(大砲をすえる台)がつくられ、要塞島としての歴史が始まりました。その後、明治から昭和の終戦まで、東京の海を守る第一線として使われ、その遺構が現在まで現存しているとの事。写真のレンガ積みのトンネルは明治17年までに建造されたもので、この積み方の建造物は全国で4件のみ確認されているようです。120年たっていますが、このレンガ、ちょっとやそっとの外力にはビクともしない。という風格がありありとでています。

この猿島要塞。実際はあまり活躍できなかったようです。建設当初の仮想敵は 鎖国をおびやかす異国船。そして清。今の中国。その後にロシア。そしてアメリカ。いずれも船に対してで、飛行機が現れてから、動けないという要塞の特性上、活躍は無理だったのでしょう。たった120年ちょっと。と言えると自分は思いますが、仮想敵としていた国々は今や日本にとって どの国との交流も、切っても切れない関係になってしまいました。今の日本での仮想敵は 巨大地震の発生のメカニズム、将来が誰にも見えない放射線の実態。そしてこれから迫りくる現役世代減少の社会です。現役世代減少が招くさまざまな弊害にたいして、建築を生業にしている自分がどう生き残っていけるか。最近の自分の中でのテーマなのですが、今日ここに来て、ゆっくりそれを考える事ができました。自分も要塞のように、時間とお金をかけて作っても、力を発揮できないで取り残される、過去の遺物にならないようにしなければと。