福島Ⅰ

甚大な震災犠牲がでている福島・宮城・岩手の各県にそういえば共通点があると、ふと思いました。幕末。官軍側への他藩の追随があたりまえの中、徳川政権側に いじらしくも、最期までつきしたがい、つよい者の側に立たず、よわい者の側に立ったことを。賊軍として革命勢力と戦い、追い落とされ、明治維新後から長きに渡って、政治的差別を受けてきたことを。 そして、それらを乗り越え、名だたる政治家や文化人を世に送り出してきたことを。原発立地県の福島県の方々や、他の原発から近い県の方々では、すでになんらかの風評被害による 差別を受けている。という話を聞きます。明治維新より140年。日本人の精神の原型 をつくったといわれる彼らの身に、あまりに非情な、理不尽な差別が、再びおころうとしています。世界の人々が日本の武士道精神を、この震災で口にされるのをよく聞きます。忍耐強く、他者を思いやる心があると。そういえば「武士道」を記した新渡戸稲造さんも岩手県出身でした。これらのことを考えあわせた時、彼らが、復活しないわけがない。と、確信を持って、強く思えるのです。必ず乗り越えると。