赤といえば、赤い彗星。すなわち、機動戦士ガンダムに登場するシャア・アズナブルがまず頭に浮かんでしまいます。自分にとって赤色は他と違って格式が高い色、そして使っていいだろうか。と一瞬ですが逡巡する色です。それだけ赤色に対しては構えがあるので、赤い花については、ついつい花言葉も調べてしまいます。
赤いガーベラの花言葉は、常に前進。挑戦。気分転換したいときには、この赤いガーベラを買ってきて飾ります。
2016年ですから今から8年前の11月に東麻布にあるキューバ大使館に、90歳でこの世を去ったフィデル・カストロ議長の弔問に訪れたことがあります。大使館近くの花屋さんに寄り、赤いガーベラを一輪買いました。
彼の生涯が「常に前進」だったと感じていたので、送る花としてはぴったりだと思ったからです。弔問の列に並んでいる時、自分の後ろに並んでいた 高齢の女性二人組(おそらくお顔も背格好も同じだったので双子の姉妹ではないかと思われる)に声をかけられました。「あなた、なぜフィデルが好きな花を知っているの? とても素敵だわ。」と。どう返答したかは忘れてしまいましたが、ピッとしたたたずまいと、その言葉遣いから、ノンポリの自分とは全く違う空気感を感じたことは覚えています。
ベージュ色の革のロングコートに銀髪。弔問を終え、カッカッと踵を鳴らして去っていくそのふたりから褒められたことが、とてもうれしかったことも覚えています。