極寒です。地元の方のお話では13年ぶりの積雪と吹雪とのこと。道行く人も少なく、ふぶく雪が道路を走リ抜けます。北海道函館市。宝来町。北海道の南端に位置する函館は、道内でも比較的あたたかく、降ってもここまで雪が積もってふぶくことはあまりないそうです。函館はチンチン電車が車と併走して道路を走っています。京都、広島、高知、愛媛松山などには、まだこの路面電車が街で見られます。それなりの歴史の集積がある場所で残っているようです。「筆談具あります。乗務員までお申し付け下さい。」の車内での和文と英文の表示看板。函館が開かれた観光都市であることがわかります。江戸時代から北海道の開拓の前線基地として、幕末には長崎・横浜とともに開港された国際都市として、その歴史は重厚です。函館山を背にして、山から海にかけての歴史的町並みは、みなとまち神戸の北野町に通じるものがあります。その町の事を知りたい時は、飲み屋がイチバン!ということで、吹雪の中、あるバーに向かいます。12年ぶりです。お店の方々にやさしくむかえられ、普段は飲まないスコッチをおいしく頂きながら、函館の今と昔の話しをお聞きします。函館のまちを良くしていくには、というマスターのお話はへたな講師の先生より、おもしろいのです。東京にもいらしただけあって、話が客観的で説得力があります。阪神大震災のときも、テレビでは知りえない街の姿と人々の姿を激しい口調で叩きつけるように教えてくれたのは神戸元町の地下でひっそりとやっているバーでした。地場産業の地盤沈下。市内の空洞化。減り続ける人口。定着しない若者人口。観光業でも、教育機関の多さなどでも、道内でもかなり恵まれていると思っていましたが、他の地方が抱える問題を同じように抱えています。ゆるやかに衰退している街。けど、なんとかしたい。お店には地元の若い方々が集まってらっしゃいましたが、函館地元の方言が耳にやさしいです。みなさん、函館を愛しています。「30年後、引退したらぜひ函館に。」とマスター。「引退後は鳥取か愛媛松山が今のところ候補デス。」と自分。