新潟 

新潟県十日町市松之山。新潟といっても、上越と中越のはざま。長野県寄りの山深い場所です。5月だというのにまだ雪が残っています。十日町市に統合されるまでは、東頚城郡(ひがしくびきぐん)松之山町でした。日本でも有数の豪雪地帯で、3mは優に積もることから、集落の家々は2階から出入りできる入口があるぐらいです。

山深い中にある集落から、軽トラに分乗してさらに山の中へ。そこから車を降りて、さらに山に分け入って山菜取りです。

山菜を採ったさきから茎の断面に水があふれます。この場所は これまでに人間が踏み入れたことは一度もなかった未開の地ではなかったのかと思えるほど、無垢の自然(?!)を感じる体験です。生きものなんだ。ということを実感します。

山菜の野に踏み入れていくと、ぴょんぴょん何かが足元から四方に弾け跳んでいきます。蛙たちです。斜面には所どころに横穴が開いていて、蛇がにょろりと顔を出します。どうやらここでは5月の雪解けの今が春到来の真っ盛りの時期のようです。

こごみ、ふきのとう、ぜんまい、あしたば、などなど。これまで ほぼほぼ平地育ちの自分には、どの山菜がどれで、どれが食べられるのか、皆目わかりません。また、その価値もわかりません。豊富な山菜は集落の中では大切な換金植物。収入源のようです。宝の山ですね。

美人林といわれるブナ林。根開きといって、木の根元の雪が円状に融けています。木が温かいから雪が解けるのであって、木が生きている証です。地中の水を木が吸い上げるとき、その水が雪より温かいので雪が融ける。ということのようです。

普段の生活では「生きものが生きている」なんて、感じもしませんし、考えにも及びませんが、ここでは「いきている。」ことを実感できます。そんな場所です。喧騒に疲れた人にはお勧めの秘境です。