祝10周年祭 2024年10月13日(日)スナック不慣れ復活祭 おひとり様3,000円の要予約制/10月14日(月祝日)は午後からお客さま感謝デイとして毎年恒例のもちつき祭りを開催します。どうぞお気軽にいらしてください。

埼玉 人と機械と

埼玉、武川駅。蒸気機関車。SLです。特段、SLに対して興味は無かったのですが、ここ最近、テレビで蒸気機関車を改修して動かす。という番組を2回、「SL復活!C571よ永遠に」と「復活山田洋次・SLを撮る」を見まして、これは動く現物を見てみたい。となりました。両方の番組とも、一度は死に体になったSLに 再び命を吹き込むという、過程を扱ったドキュメンタリー番組でした。改修作業にあたる人々の眼差しもあわせて丁寧に、詳しく、見せてくれました。

この21世紀のハイテクな世界に、基本手作業。という、人間の手による改修作業の様子を見ていて、引き込まれました。 また、エコが要求されている この今の世界に、鉄道会社が 蒸気機関車を動かすために、人と設備に対して、多大な投資をしている事にも驚きました。動態保存(現役で動いている)されている蒸気機関車は、北は北海道から南は九州まで、多数運行しています。写真の蒸気機関車は秩父鉄道のC58 363(シゴハチ サンロクサン)。 C58形 唯一の動態保存機です。昭和19年に製造されて、東北地方で活躍した車両でした。昭和47年に廃車となりましたが、15年後の昭和62年に復活。現在も走っています。東北地方を中心に活躍した車両という事もあり、一部の収益を 被災地の方々に寄付されているとのことでした。

実際、見に行きまして、想像以上に感動しました。機関車が駅にはいってくる10分以上前から、そわそわ。 向こうから来る線路の先で踏切が カンカン と鳴り始めました。 来た!しんきろうの先、線路の先を凝視です。黒い煙と、ガッシュ ガッシュという、駆動音。真っ黒なかたまり。来た!来た!

先頭の機関車を見るために、ホームの先からホームの先まで、子供達と一緒になって、駅のホームを走ることになるとは思いもしませんでした。この日は運転席には4人の機関士さんが乗車されていました。手には軍手。額、頬には汗。ズボンのひざの部分は石炭、油で黒くなっています。運転席のバルブや、レバー、複雑な鉄の塊を目の前にして、圧倒されました。

停車から発車の合図、汽笛を鳴らすまで、4人の機関士さんが点呼をし、それぞれの役割を果しています。この大きな鉄の塊を動かすには、この儀式は避けられないのではないか。とさえ思えます。ボタン一つで自動運転。とは正反対。人と人とがいくつもの装置を動かしている手動運転です。真剣な眼差し、機器を扱う慎重な動作。機械に対しての畏れと敬意みたいなものが ひしひしと伝わってきました。 この蒸気機関車、人や荷物を運ぶ、ただの機械にすぎません。ただ、ちっぽけな人間が 機械を動かすのに、本来どれだけのエネルギーが必要だったのかを 感じる事ができたのは、感動を生む価値観を知る上でもよかったです。この自動化の進む、機械の中身が、なかなか見えてこない世界で。