埼玉Ⅱ

車の窓を開けると、鼻いっぱいにネギの香りが入ってきます。深谷ネギです。
地元農家の方のお話では、焼いてもうまいが、「そりゃ、あんた てんぷらにしたら一番よ。」とのこと。まだ、寒い時期でしたが、埼玉は深谷・大宮にいってきました。深谷には、偉い人だった渋沢栄一に興味があり、その生家を見に。大宮には盆栽美術館と近隣の盆栽村を見に。という具合です。

JR高崎線の深谷駅です。
似ていますでしょ。東京駅に。そう。リトル東京駅なのです。東京駅がその昔、深谷産の煉瓦(レンガ)を使っていたことにより、このような 見た目に改修されたようです。

ここ深谷には日本煉瓦製造株式会社という煉瓦をつくる会社がありました。その会社の設立に動いたのが幕末、明治期の実業家、渋沢栄一でした。煉瓦に縁がある町で、所々にその痕跡が見えたりします。

やってきました。渋沢栄一の生家です。
渋沢栄一は、徳川慶喜の家臣、幕臣として、明治を迎えました。ちょっと信じられない話ですが、設立にかかわった会社の数は数百にのぼるようです。現在のみずほ銀行、東京ガス、東急、帝国ホテル、太平洋セメント、キリンビール、サッポロビールなどなど。ため息が出ます。さらにため息がでるのは、自分が設立にかかわった会社を財閥化、私物化しないで、ひろく公にひらこうとしたことです。「公の精神」学ぶべしです。

案内係のおじさんにお聞きしたところ、現在では 渋沢さんのご子孫は東京に出てしまって、ここ深谷には もう残っておられないとのこと。ちょっと、さびしさを感じつつ、深谷を離れます。

盆栽村と、盆栽美術館を一通りまわりました。自分が盆栽やら、花を少しいじるようになって気づいたこと。目の届く場所にないとなんだか落ち着かない。そして、毎年春になると芽を出してくれる緑たちが愛おしくて、抱きしめたくなる。ということです。アニメ、サザエさんで、カツオたちが空き地で野球をして、飛んでいった打球が塀を超えて盆栽を壊してその家のおじさんにこっぴどく怒られるシーンが出てきます。

「そりゃ、怒るよ。」と。この歳になって
「カツオ、なんてことをしてくれたんだ。」と思うようになりました。